月にたったの1時間だけでお金が増える！？

人は昔、動物を追いかけたり、畑を耕して生活してきた。作物は年に１～２回しか収穫できないので、のんびり成長を楽しみながらの暮らしだったのだろう。

現代は、「月にたったの1時間だけでお金が増える」みたいなネットビジネスで稼ぐ時代になっている。人は「食べて寝る」ことは昔から変わりないのに。

能力の高い人ほど、複雑なことをシンプルに考え、そのシンプルさに行きつくまでには、並外れた努力をしている。やっぱり、全部「人は食べて寝る」の枝葉末節だ。

人は何故仕事をする？お金が必要のため。何故お金がいる？ご飯を食べて寝る場所が必要のため。その「食べて寝る」という単純さは、狩猟や畑に求める時代が終わったのではなく、狩猟や畑以外の職の選択肢が増えただけのこと。

ここで勘違いするのは、ＰＣを主としたネット事業が、真夏に動物を追いかけたり農作業したりすることより、精神的・肉体的に楽と思ってしまうこと。山や畑みたいに確固とした場所がない分、競争は苛酷だ。

「サラリーマン辞めてネットで起業します！」という人に言いたいのが、「月にたったの1時間だけでお金が増えるよ」と謳う人は、結果として成功しただけで、誰でもその人みたいになれる根拠はない。みながマンモスを石槍ひとつで獲る能力があるわけではなく、その腕力を事業能力に置き換わってるだけのこと。

「スキルや知識は一切必要無い」「スマホかPCがあれば出来る」「全国どこでも海外にいても出来る」「必要な時間は月に1時間程度」「少しの資金があれば始められる」のような甘えを武器にした人がいて、その「サラリーマン辞めてネットで起業します君」たちをカモにして生きている。そういうのに気を付けて欲しいということだ。

彼らは「月１回の動画を見るだけでいい」と言う。「努力しなくて自由な時間を得られる」と言うのだ。

人というのは、楽な方法を教えてくれる人の言うことを信じてしまう生き物だ。その部分を理解している人は、甘い言葉を武器に「情報商材」などといった、おかしなモノを売る。「努力せずに儲けたい」という人がいるから、その仕組みが成り立つ。さらに、「情報商材に騙されないように！」というモノを書く人まで現れる。

現代人は「月にたったの1時間だけでお金が増える」という言葉でこれだけ翻弄されながら生きている。そこから自由になるためには、いったんＰＣを閉じて外に出て、自分が汗をかいて、誰かに直接「ありがとう」と言ってもらえる事を見つけることなんじゃないかな。