価値の対価

サービス業は「価値の対価」で成り立つ。


「美容師さんって原価が安くていいですよね」という人がいる。美容院やレストランは原価が基準になっていない。技術や空間、色々な付加価値を足したものにお金を払っている。


僕は美容師やシェフが素材や技術にこだわっている店を選ぶ。お客を詰め込む店よりは高くなるけどしょうがない。自分が何を優先するかだから。


色々なものが混ざって足したものがサービス業の価値だけど、無形のモノは必ず同じカタチをとる。ピカソの絵を観た時に「キャンパスと絵具代だけでしょ」というのは、価値とは全く無縁で乱暴すぎる話だ。


「需要を経済に変えること」を意識的に行っているのが現代だろうし、マネタイズという言葉は今や美容業界ですら聞く。僕も欲しいものはないと言っているけど、モンスターハンターの新作は心待ちにしてて、毎回モンハンフェスタというような大イベントにもなるように、必要とされるモノには不景気なんてない。


人々から「期待され、待たれている」というのが価値で、需要がない場所に何かを供給しても価値なんて生まれない。


僕は自分の技術を売っていて、カットだけに関していえば原価ほぼ0円で商売している。中世で例えるなら錬金術だ。お母さんが子供の髪を切るのとなんら変わらない。ハサミはちょっとだけ良いやつだけど。


インスタグラムで次から次へと現われる才能を見る度に、専門性が薄くなっているのが解る。アートのようなお弁当を作る主婦、自分の毎日のオシャレコーデを撮る販売員のような大学生。カットと撮影がプロ以上のスキルの高校生だっている。それ以外の趣味的な一般レベルのモノは埋もれていく。


お金という価値と交換できるモノほど、他人にとって需要がある。そうでないと誰からも求められないし、専門分野としての突破力が足らないということだろうな。


自分のSNSを見て反省。



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