彩り

今日は、オープンした時から来て頂いてる92歳のお客様で、足が悪くなってお店まで来れなくなっていまい、９０日に１度、お宅にお邪魔してカットしている。その時のお話。

部屋はいつも「おばあちゃんの家のあの線香の香り」がして、入った瞬間にとても心地よくなる。いつものようにビニールシートをひいて、タオル、クロス、そして霧吹きで髪を濡らして準備をすすめた。

いつも９０日周期でのカットなんだけど、入院されていたのでの４カ月分の髪が伸びていた。

お客様は「志摩さん、いつもと一緒でお願いね。」と、サロンでカットする時と同じ優しい口調でおっしゃいます。

いつもショートなんで、いつも大した変化もなく、いつも同じ髪型。

僕にとってはなんて事ない普通のスタイル。

場所こそ違うものの、いつものようにカット。

いつものように自分の仕事をして、お客様を仕上げました。

そして玄関で帰ろうとした際、 そのお客様が僕を見てこんな事をおっしゃいました。

「私、志摩さんにカットしてもらうようになってから、テルさん、若くなったね！元気になったね！って言われるようになったの。足が悪くなってお店に行けなくなったけど、こんなおばあちゃんでも、いつまでも若くいたいし、そう思えるのは志摩さんのおかげ。ありがとう。」

本当に素敵な笑顔で言って頂いた。

僕の方こそ感謝の気持ちでいっぱいだ。

凄く嬉しい気持ちになりました＾＾

なんて事のない作業が

回り回り回り回って 

今僕の目の前の人の

笑い顔を作っていく 

そんな確かな生き甲斐が

日常に彩りを加える 

モノクロの僕の毎日に 

頬が染まる 

暖かなピンク

増やしていく

きれいな色どり

増やしていく

綺麗な彩り

Mr.children 　「彩り」  より